2019年10月29日 10:00「脱プラスチック容器」で、プラスチックごみによる環境問題に貢献を
近年、包装容器などに用いられるプラスチックが廃棄されることによる環境問題が深刻になっています。
たとえば、ニュースなどでプラスチックストローが鼻に刺さったウミガメを救助する様子をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように、プラスチックごみが海を汚染してさまざまな生物に悪影響を与えていることが問題になっているのです。
今回は、世界中で広がりつつある「脱プラスチック(脱プラ)」による環境保護対策についてご紹介します。
包装容器などの材質や廃棄経路を見直し、企業として、個人として、環境問題に対してどのような貢献ができるのかを考えるべく、世界各国やさまざまな企業で行われている環境汚染の改善に努める取り組みについて見ていきましょう。
深刻化する、プラスチックごみ(廃棄プラスチック)による環境問題
脱プラ対策について考える前に、まずは現在のプラスチックごみ問題に関する日本国内の状況について、詳しく見ていきましょう。
プラスチックごみが使い捨てられ、そのまま廃棄されることで、世界の環境はどのように悪影響を受けているのでしょうか。
日本で年間に排出されるプラスチックごみの量を、国民1人当たりに換算すると「32㎏」となり、日本は実に世界で2番目にプラスチックごみを多く排出している国です。
日本でのプラスチックのリサイクル率は84%と高いため、汚染には積極的に加担していないと考えている方も多いかもしれません。
しかし、実際にはリサイクル業者が回収したプラスチックごみの8割ほどは海外へ輸出されているといわれています。
輸出された廃プラスチックがどう処遇されているかは、よく分かっていません。
全世界ですでに海に流出している廃プラスチックの量は実に「1億5千万トン」といわれています。
そこへさらに、年間800万トンもの量の新たなごみが流出するとされているのです。
廃プラスチックは、海に流れ出ると細かく砕けて「マイクロプラスチック」と呼ばれる状態になります。
それがさまざまな海の生き物の口から入り、食物連鎖によってあらゆる生き物に影響を及ぼします。
マイクロプラスチックは、有害な化学物質や病原体が付着した状態で生物の体内に入れば当然悪影響を及ぼしますし、腸の免疫機能を低下させる可能性も指摘されています。
なぜプラスチックごみ(廃棄プラスチック)が問題なのか
プラスチックごみをそのまま捨ててしまうことは、どのような問題点を含んでいるのでしょうか。
プラスチックは成分そのものが生分解されにくく、細かく砕かれたマイクロプラスチックとなり、地球上にいつまでも残ってしまうことが1つです。
また、プラスチックは海中の有害物質を吸着しやすく、それを魚などが食べ、人間がその魚を食べることで、人間にも有害物質の影響が及ぶ可能性もあります。
つまり、プラスチックごみ問題は地球の環境問題であり、人間の健康問題でもあるのです。
プラスチックごみ(廃棄プラスチック)問題に関する世界の動向
世界各国において「ノープラスチック」「脱プラスチック」の流れが本格化しています。
まずEU諸国では、すでに「2030年までに全プラスチック容器をリサイクルし、廃棄プラスチックを極力削減する」という取り組みを開始しています。
また、そのうちフィンランドにある「フィンランド技術研究センター」では、海洋に流出したプラスチックごみを再び回収するためのプロジェクトを実施しています。
専用のコンテナで回収した海洋プラスチックを、自然エネルギーによって燃料に変えられるという、徹底してエコな取り組みです。
国単位の取り組みだけでなく、グローバル企業と呼ばれる世界的大企業もプラスチックごみ削減に積極的に取り組んでいます。
例えば、英国の大手化粧品メーカーがすでに実施している、製品や包装からプラスチックをなくしていく取り組みは10年以上にわたって継続されています。
このキャンペーンは結果的にコストダウンを生み、ビジネスの成長にも貢献しているそうです。
その他、米国の大手コーヒーチェーンでは2020年までには店頭のプラスチック製ストローの使用をやめるとしています。
また、日本のファミレスチェーンでも2020年までにプラスチックストローを廃止するとしています。
このようにさまざまな企業において、脱プラへの取り組みが始まっています。
企業がプラスチックごみによる環境問題に貢献するには
先にご紹介したとおり、グローバル企業においてプラスチックフリーの流れが進んでいる状況です。
商品販売とプラスチック包装には切っても切れないつながりがあるように思えますが、企業が脱プラスチックで環境問題へ貢献するには、現実的にどのような取り組みが可能なのでしょうか。
1.プラスチック製品を、紙など生分解可能な素材に切り替える
飲食チェーンがすでに進めている、ストロー廃止の流れに代表される取り組みです。
プラスチックストローの代用品としては、紙など生分解されやすい素材や、食べることが可能な素材のストローなどがあります。
ストローの他にも、食品容器としてプラスチック容器を使用していたところを紙製の容器に変更したり、ビニール製の手提げ袋を紙箱や紙袋に変更したりなどの方法があります。
2.レジ袋を有料化し、手持ちの買い物袋の利用を推奨する
こちらは、すでに国内スーパーなどでも活発に行われている取り組みです。
一般にレジ袋と呼ばれる手提げのビニール袋を無料配布せず、有料化することでマイバッグ(持参の買い物袋)の再利用を促進し、ビニール袋の廃棄を減らすことに貢献できます。
有料化が難しい場合は、マイバッグ持参の方にお店のスタンプカードのスタンプをおまけしたり、新製品のサンプルをプレゼントしたりといったキャンペーンを行う方法もあります。
おわりに
今回は、容器・包装などから生まれるプラスチックごみが及ぼす環境への悪影響や、環境負荷削減のために各国・各企業が実施している取り組みについてご紹介しました。
これまで日本国内では経済成長や生産性向上を目的に、大量生産・大量消費が奨励されてきました。
しかしこれからは天然資源を保護し、環境への負荷を積極的に削減する世の中にしていく必要性が叫ばれています。
天満紙器では、食品を販売する企業様の脱プラへの取り組みに貢献すべく、さまざまな非プラスチック製の容器・包装用商品を開発・販売しております。
紙素材の容器「エコライトトレー」「カールカップ」「ロールフリーカップ」など、惣菜に使うことができる商品を多種取り揃えております。
現在プラスチック容器を使用されていて、今後「脱プラスチック容器」に取り組んでいきたいとお考えの企業様は、ぜひこのような商品の利用をご検討ください。
今後も、天満紙器は脱プラに向けて前向きに取り組んでいきます。