2020年2月13日 08:00紙コップでシフォンケーキを焼くと有害物質が出るってホント?
小さなカップを使った高さのあるシフォンケーキは、個性的でとてもおしゃれ。
投稿レシピサイトやブログ、SNSなどでも、紙コップを使用したシフォンケーキのレシピが増えています。
紙コップは簡単に用意できるだけでなく、手軽に1人分のシフォンケーキを焼けることから、人気となっているようです。
しかし、紙コップをオーブンに入れて使うと危険だということは知っていますか?
パッケージに「オーブンや電子レンジでの使用不可」と注意書きがされているものなど、紙コップ自体がお菓子作りに適していない素材で作られている場合もあります。
今回は、紙コップでシフォンケーキを焼くときの有害性や、注意すべきポイントについてご紹介します。
紙コップでシフォンケーキを焼くのをおすすめできない理由
紙コップでシフォンケーキを焼くのは、なぜいけないのでしょうか。
その理由は大きく分けて2つあります。
有害物質が溶け出してシフォンケーキに付着してしまうから
一般的に、紙コップの内部には耐水性を与えるためのポリエチレンが薄く貼られています。
ポリエチレンが熱によって溶け出す温度は110度前後です。
そのため、紙コップでシフォンケーキを焼くと、内部のポリエチレンは加熱によって溶けてきてしまいます。
身体に有害な物質も一緒に溶け出てしまうおそれがあるため、オーブンの熱でじっくりと焼き上げるシフォンケーキ作りにはおすすめできません。
ポリエチレンや有害物質は溶け出しても目に見えず、シフォンケーキの味も変化しないので食べても気付きにくく、余計に危険といえます。
紙コップの形状が変わらないと上手に焼けたように見えますが、シフォンケーキの生地にはポリエチレンや有害物質が染み込んでいる可能性もあるのです。
穴が空く、発火するなどのおそれも
紙コップでシフォンケーキを焼くことによる危険性は、ポリエチレンや有害物質などが生地に溶け出てしまうだけではありません。
熱によってポリエチレンが柔らかくなることで、焼成中の紙コップに穴が空いたり、生地とくっついたりする可能性も考えられるのです。
また、ポリエチレンが溶けて耐水性が失われると紙が焦げて炭化し、オーブンの中で発火するおそれもあります。
時間のかかる焼成中は、洗い物や片付けなど別の作業に集中してしまいがち。
変形や発火などオーブンの中の変化に気付きにくいため、紙コップをシフォンケーキ作りに使用するのは非常に危険です。
シフォンケーキ以外のお菓子はオーブンに入れて大丈夫?
基本的に、「オーブン不可」などの注意書きが記載された紙コップは、正しい使い方以外の方法での使用を想定して作られていません。
そのため、シフォンケーキに限らず、製菓などの目的で紙コップをオーブンに入れること自体が問題なのです。
特に、バターのような油脂を含む食品を加熱すると、設定温度が低くても内部の温度は非常に高くなります。
その結果、ポリエチレンが溶け出す温度をはるかに上回ることもあり危険です。
食品用の紙コップだから大丈夫と安心してしまいがちですが、オーブンで熱を加えるとポリエチレンや有害物質の溶出といったさまざまな変化が起こります。
発火などのトラブルを防ぐためにも、お菓子作りで紙コップを使うのは避けましょう。
電子レンジでの使用もNG
オーブン以外にも、紙コップは電子レンジでの使用にも適していません。
紙コップをラップで覆ったり長時間加熱したりすると、液体が急に沸騰してはじけ飛ぶ「突沸」が起こる原因になります。
また、ドーナツや唐揚げ、フライドポテトのような油を含む食品を紙コップに入れて加熱する場合も、110度以上になるとオーブンで加熱したときと同様にポリエチレンが溶け出てしまいます。
無理に紙コップを使用するとさまざまな事故につながるため、飲み物や食べ物を温めるときは電子レンジ対応のカップや容器に移してから加熱するのが良いでしょう。
でも小さいシフォンケーキを焼きたい!どうすればいい?
イベントの持ち寄りスイーツとして、切り分ける必要のない小さめサイズのシフォンケーキを作りたいときもあるでしょう。
そんなときは製菓に適した素材で作られた紙製のマフィンカップを使用すれば、1人分の小さなシフォンケーキを安全に焼くことが可能です。
紙コップよりも耐熱性に優れているため、焼成中に起こりやすいポリエチレンや有害物質の溶出、変形、発火などのトラブルを避けられます。
特に、小さな子供も集まるホームパーティーでも、有害な物質が入っていない手作りお菓子を振る舞えるので衛生面でも安心。
電子レンジに対応しているものもあり、作ったお菓子が冷えてしまったときは手軽に温め直しておいしく食べることもできます。
かわいい色や季節感ある絵柄のマフィンカップも豊富に展開されており、場を華やかに盛り上げてくれるデザインを自由に選べるのも魅力です。
シフォンケーキにはトールタイプのマフィンカップがおすすめ
背の高いトールタイプのマフィンカップは、特にシフォンケーキ向き。
生地が側面にきちんと張り付いて膨らむので、ふんわりとボリュームのあるきれいなシルエットに仕上がりやすくなります。
また、スマートで個性的な見た目がかわいらしく、おしゃれなカフェスイーツのような雰囲気を演出することも可能。
1人分にぴったりの量に作れるためカットする手間を減らすことができ、かわいい手土産としてはもちろん、来客時のおもてなしスイーツとしてシフォンケーキを出したいときにもおすすめです。
おわりに
せっかくシフォンケーキを手作りするなら、安全性にもきちんとこだわりたいもの。
紙コップは手軽に用意できるのが便利ですが、ポリエチレンや有害物質の溶出、発火のおそれなどがあるためお菓子作りでの使用は避けましょう。
製菓用のマフィンカップであれば安全に使えるだけでなく、ふわふわとしたおいしい1人分のシフォンケーキを作れます。
油にじみを低減してくれたり、スイーツを引き立てるようなデザインが展開されていたりと魅力もさまざま。
シーンに合ったマフィンカップを使い、安心して食べられるおしゃれなシフォンケーキを作りましょう。